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2011年6月

2011/06/29

第42回中央アジア学フォーラムのお知らせ

2011年7月30日(土)13:30〜18:00
大阪大学文学部本館1階・大会議室

荒木陸(大阪大学)書評:Johan Elverskog, Our Great Qing. The Mongols, Buddhism and the State in Late Imperial China Honolulu, University of Hawaii Press. 2006
石川禎仁(大阪大学)「「転帖」の運用形態に見える帰義軍期敦煌の土地利用」
荒川正晴(大阪大学)「トゥルファンの城邑問題について:科研調査報告を兼ねて」
白須浄真(広島大学)「シルクロードの古墳壁画の大シンフォニ--4~5世紀の来迎・昇天壁画の図像学(イコノグラフィー)-」

荒川正晴先生からご案内をいただく。ありがとうございました。
同フォーラム主催者のサイトはこちら。

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2011/06/07

国際古代ウイグル語研究ワークショップ(第3日)

2011年6月6日
7:30,朝食。
9:00,今日は会場をホテルからトルコ言語協会のビルに移動。参加者はビルに入ってすぐ右手の図書スタンドに殺到,学者病の集団発症だった。カヤ先生の Altun Yaruk 校訂本が飛ぶように売れていた。

9:30,開会。
VI. oturumu
Ayşe Gül Sertkaya: Konstantiniyye’de Uygurca. アイシェ先生が以前に扱われた Abdurrezzak bahši に関連するもの。
Hakan Aydemir: Eski Türkçe Xuanzang biografisi’ne kaynaklık eden Çince metin hakkında yeni bilgiler. 玄奘伝漢文の系統とウイグル訳との関係をめぐる「新説」。不肖マツイにはかなり苦しいと感じられたが,刊行されたらあらためて議論があるだろう。
Ablet Semet: 予定の題目を「ウイグル語の術語形成方法に関する観察」に変更,トルコ語タイトルは失記。特に玄奘伝中の抽象名詞の翻訳方法をめぐって。
Muhemmetrehim Sayit: Şingku seli’nin Altun Yaruk’ta izlediği yöntemi.

12:00,3日連続で同じレストランで昼食。最終日は辛口のアダナケバプ。

14:00,再開。
VII. oturumu
Litip Tohti: The traces of the diachronic sound changes of l to š in Old Uyghur. アルタイ比較言語学というのは最近日本では下火のように見受けられるが,Litip 先生の報告は(英語だったこともあってか)明解と感じられた。
Erkin Awkal: Şingqu salıy’ın çevirilerindeki eş anlamlı sözleri. 途中からカザフ語による発表になってしまった。
Tieshan Zhang: A study of one fragmental leaf of the Abhidharmakośabhāṣya-tīkā Tattvārthā in Uighur script.
Dilara Israpil: A study on the colophon of Old Uyghur Mahāpraṇidhāna. 歴史学的にも重要な情報を含む新出資料を紹介。すでに現在,某誌に発表する準備をすすめておられるそうで,公刊を鶴首。

VIII. oturumu
Mağfiret Kemal Yunusoğlu: Şingku şeli tutung’un tercüme üslubu üzerine
Serkan Şen: Eski Uygurca dört brahman öyküsünden bir parça
Reziya Nuri: İpek yolunda bulunan runik harfli yazmaların ağız özellikleri

Değerlendirme oturumu
Melek Özyetgin, Klaus Röhrborn, Litip Tohti, Mehmet Ölmez の4先生が登壇しての総括セッション。
Litip 先生がニコニコしながら「中国でまたこんな学会を開きましょう,いま中国ではお金の心配はまったくないから」と呼びかける。少なくとも学術研究に対するサポートという点では,日本は中国の後塵を拝することすらできないほど追い越されてしまっていることを実感,彼我の差に嘆息。
最後は適宜記念写真を撮り,別れを惜しみつつ,三々五々解散。
ホテルへ帰りがてら,橘堂さんと再び Beer Station で反省会。

19:00,夕食。セルトカヤ先生ご夫妻・カヤ先生・カチャリン先生・アイシマ女史・ディララ女史という,トルコ・ウイグル混淆テーブルにお邪魔する。セルトカヤ先生・アイシェ先生とも,いくつかの報告についてきつめの批評を拝聴。しかしトルコ人とウイグル人は,本当に意思疎通が簡単でうらやましい。

21:00,私の明日のアンカラ発便は早朝につき撤収,セルトカヤ先生とイスタンブルでの再拝を期す。
しかし,笠井さんにプレゼントを忘れていたので,ロビーで待機。しばらくして授受完了。ドイツ若手組は Beer Station に行っておられた由。

6月7日
6:30,一番乗りで朝食を完了。7:20,チェックアウト。朝食に降りてこられたラシュマンさん・笠井さん・橘堂さんにご挨拶して辞去。7:30,TDK差し回しのタクシーで,一路エセンボガ空港へ。

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2011/06/06

国際古代ウイグル語研究ワークショップ(第2日)

2011年6月5日
8:00,朝食。久方ぶりに再会した Ablet Semet 博士と同席。「マツイ君の発表は,10年近く前にベルリンで議論したネタだよね」と看破されてしまう。実は2002年に野尻湖でも話したのだが,練るのに時間がかかっているのだ。

10:00,会場をホテル地階のカンファレンスルームに移して開会。

III. Oturumu
Marcel Erdal: Eski Uygurcanın fiil varlığ.
Yukiyo Kasai: The Old Turkish fragments with Brahmi elements. 笠井さんのPPTは,会場据え置きの端末を使ったため,漢文仏典の同定成果が文字化け。ご本人はいたく落ち込んでおられたが,例えディスプレイされたとしても読めない人間のほうが多かったのではないかと慰める。
Yong-sŏng Li: The Uighur word materials in a manuscript of Hua-yi-yi-yu in the Library of Seoul National University (IV). 庄垣内正弘先生の『畏兀児館訳語』研究に対する批判なのだが,庄垣内先生が利用した写本の検討なしでは有効とはなるまいと感じる。この点は質疑応答でアブドゥリシトさんも指摘。

12:00,昼食。アイシェ先生に名前入りのナンがサービスされたのだが,誕生日でも結婚記念日でもなく,単になじみ客だからということらしい。

14:00,再開。
IV. oturumu
Dai Matsui: Borun and Borun-luq in the Old Uighur legal documents. 途中,イェンスとのエピソードに関するジョークで笑いをとれたので可しとする。
Aydar Mirkamal: Two Abhidharma fragments from Dunhuang.
Özlem Civerek Ayazli: Şingko şeli tutung ve Altun Yaruk çevirisi üzerine.
質疑応答では,いささかピントのずれた質問を受けて戸惑うが,幸いにもオスマン先生が助け船を出して下さった。キリスト教人名について,ツィーメ先生も交えて議論する。休憩時間に入り,Erdal 先生からも,「人」の -Ž- の音価がウイグルの -R- と近かった可能性はないか?とのこと。しかし Radloff,Jarring のエントリーからも漢語起源はあり得ないだろう,とお答えする。

V. oturumu
再会にあたって,セッション司会を務めるセルトカヤ先生が,某先生の学士院賞受賞を記念して TDK 会長と本国際ワークショップ参加者の共同名義で祝電を送ろうとご提案。もちろん全員賛成。ツィーメ先生は,電報よりもメールがよかろうというジョーク。
Ceval Kaya: Eski Uygurcada ses ve uyum sorunları.
Fuxue Yang: Two Uighur inscriptions quoted from Altun Yaruq in Dunhuang Mogaoku Cave 464.
Murat Elmalı: Daśakarmapatha-avadānamālā üzerine yapılan çalışmalar ve bu çalışmalarda karşılaşılan güçlükler.
Aysima Mirsultan: Studies on some Old Uighur words in Modern Uighur dialects. 古代ウイグル語に由来する現代ウイグル語の事例を紹介。

夕食前にロビーへ。ドイツ若手組を通じて,ウルムチの Israpil Yüsüp 先生のご令嬢でもある Dilara Israpil 女史にご紹介いただく。そういえば,随分と昔に,ディララ女史を通じてイスラピル先生からのご連絡をいただいたことがあった。
19:00,なお議論は尽きず,そのまま夕食へ。イェンスは私のジョークに大受けしていた。ディララさんが前もって見せてくれた草書体仏典などはまだ不十分で,やはり U 5960 くらいひどくなければ awful とはいえないらしい(笑)
21:30,撤収。報告を終えたということで,日本人3名で昨晩に続いて Paper Moon へ。先着しておられた Semih Tezcan 先生とツィーメ先生・アブドゥリシトさんと入れ違いとなる。解放感から,日付が変わるまで杯を傾けることに。

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2011/06/05

国際古代ウイグル語研究ワークショップ(第1日)

2011年6月4日
8:00,朝食。昨夜遅く到着された Abdurishid Yakup 先生とご一緒。長江教授としてまことにお忙しいご様子。また,今回招待の労をとって下さった Mehmet Ölmez 先生にも再拝。なんと今朝到着したばかりとか。

10:00,ホテルのカンファレンスルームで開会式。
今やTDKの会長補佐の任にある Melek Özyetgin 先生,ついでオルメズ先生が歓迎スピーチ。

Açış oturum
Osman Fikri Sertkaya: Uygur harfli eserlerin Türkiye’deki araştırma ve yayımlanma tarihinden. トルコにおける古ウイグル学の系譜を回顧。それにしても,連年のごとく古ウイグル語研究で修論・博論が出ているのには驚かされる。
Peter Zieme: Şingko şeli tutung kimdir?
Klaus Röhrborn: Xuanzang bibliografisindeki bazı çeviri özellikleri üzerine.
Jens Peter Laut: Zum Maitrisimit-Projekt an der Universität Göttingen,

12:00,ホテルの外のレストランで昼食。
14:00,再開。

I. oturum
Simone-Christiane Raschmann: New results from the cataloguing work of Säkiz Yükmäk Yaruk.
Jens Wilkens: On editing the Daśakarmapathāvadānamālā in Old Uygur.
Mustafa Kaçalin: Uygur harfli bir kaydın okuma denemesi.

II. oturumu
Abdurishid Yakup: Eski Uygur Avataṃsaka’nin yeni parçaları üzerine.
Koichi Kitsudo: Reconstruction of the Lehrtext.
Mehmet Ölmez: Uygurca Avataṃsakasūtra’nin dili hakkında.
質疑応答では,橘堂さんに報告にさっそくイェンスが反応。
初日の閉会にあたり,Kemal Eraslan 先生が,現在の古ウイグル文献研究の課題として,ウイグル語の転写システムの統一,現在の水準からする古代ウイグル語辞書の編纂,の2点を指摘された。参加者のいずれも身につまされているところだろうが,果たして誰がその労を引き受けてくれるのか,というのが最大の問題だろうか。

19:00,ホテルのレストランで夕食。さらに,近所のワインケラー Paper Moon で,橘堂さんの報告完了を笠井さんと言祝ぐ。
23:30,解散。しかし明日の報告でのハンドアウト配付が十全を期しがたいため,急遽プレゼン資料の作成にとりかかる。

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2011/06/04

国際古代ウイグル語研究ワークショップ(第0日)

トルコ言語協会(Türk Dili Kurumu)主催の標記「シンコ=シェリ都統記念国際古代ウイグル語研究ワークショップ(Beşbalıklı Şingko şeli tutung anısına uluslararası Eski Uygurca araştırmaları çalıştayı)」参加のため,この3月末から2ヶ月をおかずにトルコヘ再出張。

5月29日に日本を出発,6月2日までイスタンブルに滞在し,昨年来のアラト旧蔵資料の研究を継続。

2011年6月3日
11:00,トラムと地下鉄を乗り継いでイスタンブル・アタテュルク国際空港に到着。地下鉄から国内線ターミナルまで遠いのには驚いた。
13:00,アンカラ行き TK2150 便で離陸。
14:00,ほぼ定刻通りアンカラ・エセンボガ空港着。4年前の ICANAS 参加のためアンカラに来たときには国際線乗継ぎの不調で荷物が出てこなかったのだが,今回は無事だった。Türk Dili Kurumu の差し回し迎車へ。ウイグル語「金光明経」校訂の大著で知られる Ceval Kaya 先生とご一緒させていただく。
15:00,宿舎の HIlton Ankara 到着。ネット接続が有料,かつバカ高いのに驚く。
夕刻,Aydar Mirkamal 先生,橘堂晃一さんとロビーで合流。中国から参加の張鐵山・楊富學先生に再拝,Aydar先生旧知の中央民族大学の先生方にご紹介いただく。さらに,セルトカヤ先生ご夫妻も到着。
19:00,ホテルのレストランで夕食。ドイツから参加の Zieme 先生,Laut 先生,Raschmann 先生,Jens WIlkens 博士,笠井幸代さんに再拝。
夕食後は橘堂さんと近くのビアホール Beer Station で四方山話。
ただし,橘堂さんは明日さっそく報告を控えておられるということで,早めに撤収。

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