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2009年9月

2009/09/11

岩手大学集中講義

ペテルブルクから帰国して休む間もなく,岩手大学での「北東北国立三大学単位互換集中講義」のため,4日間の盛岡出張.
3年前に秋田大学で開講したときと同じく,「弘前・秋田・岩手3大学が相互連携を深める」ためのものなので,旅費以外の手当は一切出ない.
全15コマのうち,最後半の3コマほどは宿舎でプレゼン資料を作成しなければならなかったので,さすがにハードだった.
今回印象的だったのは,講義には全く出席せず,試験も終了20分前にやってくるが,終了時間まで解答用紙を眺めるだけで,名前以外は1字も書かずに解答用紙を提出していく受講生がいたこと.他人事ながら,学生時代の貴重な時間をもったいないと思う.学部専門科目の集中講義なら,もう少しモチベーションも上がるのだろうか.
なお開講にあたっては,岩手大学全学教育センターの佐藤瀏先生(副センター長)ならびに学生課のみなさんに多々お世話いただいた.この場を借りて深謝したい.

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2009/09/07

ペテルブルク国際敦煌学研討会(復路)

2009年9月6日(日)
6:30,起床.混雑に供え,朝食前に荷物をパッキングしてチェックアウトも完了させる.
7:30,朝食.ここでは王丁先生ご一家とお別れのご挨拶.
8:30,空港までのタクシーで同道する坂尻・岩尾・赤木3氏と集合.ダーキン先生・アブドゥリシド先生・笠井女史のお見送りに与る.
9:00,ミニバンタクシーでホテルを出発.
9:45,プールコヴォ空港に到着.出国ターミナルもずいぶんときれいに改装されている.ただし,カウンターが開いていないということで,10:30まで待たされる.
10:30,チェックインのため手荷物チェック.坂尻さんがいろいろと誰何されたようで,これはやはり風貌によるのか(笑)
11:00,チェックインを済ませて出国完了.カフェでほっと一息.
12:35,定刻通り離陸.
12:30,定刻通りヘルシンキ国際空港着.乗継ぎの手荷物チェックをすませ,サンドイッチとビールで軽食.お三方はシェンゲン区域内のデパートへ.荷物番がてら,Skypeで家族と通話してお土産の希望など.
14:45,お三方と入れ替わりにシェンゲン区域へ,ムーミンショップで買い物.戻ってくると皆さんノートPCでお仕事.ご精勤ぶりに頭が下がる.
16:00,搭乗に備えてゲート前へ.お三方は関西便なので,ここでお別れ.
17:00,成田行きAY73便に搭乗.17:30,ほぼ定刻通り離陸.この復路もほぼ満席.臨席が空いていて若干のスペースがあったのが救いだが,どうも寝た気はしない.早くビジネスで旅行できる身分になりたいものだ.

2009年9月7日(月)
8:50,ほぼ定刻通り成田空港着.入国審査・荷物をピックアップ.
9:30,弘前へ向かうため都内へ.

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2009/09/06

ペテルブルク国際敦煌学研討会(第3日)

2009年9月5日(土)
7:40,起床・朝食.8:40,バスで会場へ.
9:30,セッション開始.
林仁昱「『佛母經』及其相關文藝作品研究」日本の先行研究を的確にフォローしつつ批判を加えていたのが印象的.
劉惠萍 (LIU Hui-Ping): Buddhist Arts and Chinese Myths: Focusing on the Sun and the Moon Pictures in Dunhuang Murals.
白適銘「異國天堂想像─有關唐代絲路藝術中花鳥主題的圖像學分析」
張先堂「古代敦煌莫高窟的家族石窟営造活動」莫高窟の銘文類に関する調査が進んでいるらしい.『供養人題記』の成果がさらに深化させられることを期待.
張乃翥: Some Damaged Manuscripts from the Russian Dunhuang Collection and the Spread of the Culture of the Chinese Central Plain to the West. パワポだかスライドショーだかがうまく起動しなかったようで,張氏が報告を中断してしまったため,10:40に休憩となる.
トゥグーシェワ先生から近著の Xvastvanift を拝領.ラシュマン先生と研究所の出版コーナーめぐり.ポポワ先生主編の報告書 Russian Expeditions to Central Asia at the Turn of the 20th Century (Russian Academy of Science, 2008) についてご教示を得る.7年前には出版部で直接購入が可能だったが,最近は書店との関係からか,直接販売はしていないらしい.しかし,ラシュマン先生がポポワ先生にいささか交渉されたところ,特別のご高配で報告書を購入できた.1000RUB.

11:30, セッション再開.
YAMABE Nobuyoshi: An Analysis of the Guanjing bianxiang Focusing on Дx. 316: A Reconsideration of the Relationship between Art and Text
ZHANG Huiming: A Study of the Representations of the Suvarņaprabhāsa sūtra Discovered in Bezekelik Caves by Oldenburg’s Expedition and Kept in the Hermitage Museum
PCHELIN, Nicolas: Symbolism of the Murals from Turfan
ZHU Tianshu: Dunhuang Cave 272 and the Ruixiang ‘One Buddha and Fifty Bodhisattvas’
YU Xin: From Turfan to Nara: Figurine Exorcising Technique along the Silk Road
13:00,午前のセッションを修了.ラシュマン先生はそのままベルリンへお帰りとのことで,再会を約す.昼食は昨日に続き「日本人テーブル」となる.余欣先生の報告中,中国人参加者の1人(研究者ではないらしい)が突然暴れ出した一幕についてあれこれ.なんとも傍迷惑な話である.

14:30,セッション再開.学史関係の報告が続く.
GUMBRECHT, Cordula: "Beyond All Praise": Grünwedel's Expression of Thanks to the Chinese Authorities for Their Support of the German Turfan-Expeditions
GALAMBOS, Imre: A forgotten Chinese translation of Aurel Stein's First Expedition Report
王冀青「英國牛津大學包德利圖書館藏斯坦因與鄂登堡往來通信初探」
朱玉麒「清代西域流人与早期敦煌学研究 ——以徐松与《西域水道記》為中心」
OCHIAI Toshinori: On the Authenticity of the Li Sheng-duo's Collection of Dunhuang. 武田科学振興財団の敦煌コレクションを扱った近刊『敦煌秘笈目録冊』を俎上に.

16:00,休憩.朱玉麒先生に2年ぶりのご挨拶,『西域文史』第3輯を拝領.また,数年前にメールでエルミタージュのベゼクリク壁画銘文について連絡をやりとりした張惠明女史にも初対面のご挨拶.私は中国語もロシア語も善くしないので,居合わせた余欣先生に通訳になっていただいた.
その後紅茶をすすっていると,日本語が達者な学会サポータの学生さんから,シルクロード展のカタログ The Caves of One Thousand Buddhas: Russian Expeditions on the Silk Route on the Occasion of 190 Years of the Asiatic Museum (St.Petersburg, 2008) が入手可能というご連絡.手持ちのルーブルが不足していたので,急遽,笠井女史・赤木さんから1300RUBを徴発して購入(笑)まさにウイグル文供出命令文書の世界(もちろん後で返済しております)

16:30,最終セッションの開始.
郝春文「讀敦煌文獻劄記(四則)」
DURKIN-MEISTERERNST, Desmond: Current work on the Sogdian texts in the Berlin Turfan Collection
ENAMI Kazuyuki (in cooperation with SAKAMOTO Shoji, OKADA Yoshihiro and KOHNO Masuchika): New Approach to Dunhuang and Central Asian Studies by Scientific Analysis
大谷コレクションの料紙の理化学的分析から,製紙法の展開を追われたもの.
李開成・朱江紅「敦煌物権」これはプログラムに無く,正式タイトルは失記.とはいえ(中国の学会でありがちな)飛び入りでもなかったようだ.

17:30,閉会挨拶.ポポワ先生がいささか感極まったご様子だったのが印象的.高田先生からは,次回の国際敦煌学会は2年後もしくは3年後パリで開催を計画中とのアナウンス.
18:30,バスで宿舎の Hotel St Petersburg に戻り,ホテルのレストランでお別れ宴会.Durkin先生,Abdurishid先生,山部先生,笠井女史,さらに初対面のエルミタージュの Pavel Lusje 氏と同席.Lusje氏は古代トルコ史ご専攻とのことで,私の名前までご存じだったので驚く.散会後も,ツィーメ先生,王丁先生,さらに坂尻・岩尾・笠井・赤木ら若手諸氏としばし延長戦.
22:30,散会.別宿のツィーメ先生は年末まで北京の中央民族大学へご出講のため,明日夕刻便で直接北京に飛ぶとの由,しばし別れを惜しむ.

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2009/09/05

ペテルブルク国際敦煌学研討会(第2日)

2009年9月4日(金)
7:30,起床,朝食.このホテルのファシリティーはさすがに古いが,食事はなかなかに充実.中国と逆だなあと感じる.
8:45,バスで研究所へ.
9:30,今日もまずは階下のセッションから.司会はツィーメ先生.
IWAO Kazushi: The Purpose of the Sutras Copying in Dunhuang under the Tibetan Rule.
敦煌以外の地域に送る目的での写経の存在を識語から解明.ロンドンで2年の在外研究に従事されただけあって,岩尾さんは英語での報告や討論もなめらかにこなされる.不勉強な私は「こういうことを言いたいときにはこういう単語や表現を使うのか〜」と感服.
顔廷亮「關于吐蕃占領時期敦煌文学的新思考」

10:00,学会を中座して,周伯戡・聶鴻音・孫伯君・鄧文寛・杜建録・孟嗣徽・王培培ら,カラホト・西夏学関係の諸先生とエルミータジュ博物館へ向かう.さらに,エルミタージュ所蔵の敦煌壁画の観覧をご希望の山部能宜先生ともご一緒することに.道すがら,聶鴻音・孫伯君両先生とは2年前の遼金西夏史研究会でお目もじしていたことを思い出す.孫先生はきれいなパーマをあてて髪型を変えておられた.実は両先生とも英語がご堪能だった.
10:30,スタッフ用玄関でサモスユク先生のお迎えを受ける.エルミタージュは8年ぶり.サモスユク先生の研究室までの経路で一通りの展示を観覧.
11:00,サモスユク先生のお部屋でカラホト出土の絹曼荼羅を拝見.さすがに西夏研究者諸氏は食い入る如くで,割り込むすきがなかった(笑)その後,ベゼクリク・トヨク・シクシンからの壁画断片の一般展示コーナーへ.8年前に来たときにはある事件が起き,ゆっくり見られなかったのだった(泣)トヨクの壁画断片について山部先生のご解説を頂戴.ついで敦煌壁画.山部先生は明日の報告で扱う予定のエルミータジュ所蔵壁画をまだ実見調査されてはいなかったとのことで,これまた思わぬ僥倖を得た由.
ふたたびサモスユク先生の研究室に戻り,エルミタージュの敦煌トゥルファン関係の近刊出版物について情報交換.先般京都に来ていたシルクロード展のロシア語版カタログ(昨年末から今春まで開催されていたもの)を購う.中国美術部の学芸員Maria Menshikova女史(故メンシコフ先生のご令嬢)のご協力を得て,後輩のAさんからの依頼を果たす.ちなみにMenshikova女史とも8年ぶりの再会.
13:00,いったん昼食に戻る.今日は高田先生はじめ日本人集団のテーブルへ.玄幸子先生に拝眉の機会を得る.

14:30,若干遅れてセッションに復帰.この日の午後のセッションからは,すべて2階のGreen Hallでの統一セッションとなる.
吳麗娛「試述唐代地方機構行用的狀」
興味深いテーマなのだが,ペーパーもパワポもないのでフォローできなかった(プロジェクタにはWord原稿が投影されてはいたのだが)
NAGATA Tomoyuki: The comparison of the shu-yi 書儀 texts with the material of ancient Japan
永田さんは実際には中国語でご報告.日本と中世中国の双方に幅広く目を配られていて,門外漢ながら興味深く拝聴.
高啓安「敦煌文獻中羊的稱謂研究 ——以“羖羊”為中心」
これも粘っこい文献研究.漢文文書でも,辞書ではなく諸文献の用例を集めて論じなければならぬということ.
16:00–16:30,休憩.

16:30,再開.
SAKAJIRI Akihiro: The Relationship between Upland Nomads and Oases Sedentary People as Seen from Dunhuang Manuscripts
南山部落と帰義軍政府との関係.
WANG Ding: Chinese People with Barbarian Names.
新たにソグド語名をもつ漢人を諸文献から抽出.
XU Quansheng – Families from Central Asia and Villages in Gaochang: Some Notes on the Newly Discovered Turfan Documents
鄭炳林「唐玄奘西行路線與瓜州伊吾道有関問題考察」
当初は「晚唐五代宋初河西地区羌胡交往考」という題目だったが,変更された.玄奘の交通路に関わる諸種の記録や先学の地理比定を,現地踏査に基づいて再考したもの.我々も一昨年にハミ〜敦煌を1日かけて走破したが,歴史地理的な問題の考察には,じっくり日数をかけて現地を見なければならないということを実感.
AKAGI Takatoshi: The Matrimonial Diplomacy and the Lineage of Cao Family of the 10th Century in Dunhuang
赤木さんも昨春の遼金西夏史研究会での報告に基づくもの.「ウイグル派」と「コータン派」の問題が,中国の敦煌研究者たちにどのようにうけとめられるだろうか.

18:30,研究所すぐそばのレストラン「千夜一夜」で宴会.このウズベキスタン料理店は,はじめてペテルブルクに来たときに荒川慎太郎先生と出かけた記憶がある.その時はおひねりを求めるベリーダンサーに若干ひいたものだった.今回はそのようなことはなく,料理を十分に堪能.
京都に滞在中の余欣先生と1年半ぶりに再拝,報告のハンドアウトを差し上げる(なにしろ余欣先生には『神道人心』というご著書がある).高田先生からは,敦煌学の現況とともに,中国・パリの関係者の四方山話を拝聴.ポポワ先生にあらためてご挨拶し(私のことを DAI Ma-Tsui という中国人と誤解されていた),ペテルブルク所蔵文献の公刊申請に関して大まかなアドヴァイスをいただく.
20:45,散会,バスでホテルへ戻る.最後尾の座席に陣取ったところ,天上から雨漏り.隣のラシュマン先生とともに上着を汚してしまった.
21:00,ホテル着,手早く着替えて,ラシュマン先生・ダーキン先生・笠井女史とビールを傾ける.ラシュマン先生とは共同研究の進め方を相談し,おもむろに四方山話.ラシュマン先生は●年前の高校時代,ロシア語の現地研修のためこのホテルに宿泊されたとか.子育ての難しさという話題に.未婚(のはず)の笠井さんが妙に詳しいのに驚く(笑)
22:30,解散,就寝.

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2009/09/04

ペテルブルク国際敦煌学研討会(第1日)

2009年9月3日(木)
7:30,起床,朝食,山部能宜先生,坂尻彰宏さん,岩尾一史さん,赤木崇敏さんら,日本からの参加者とご挨拶.
8;30,部屋からホテル玄関へと降りるエレベータで,3年前に博多のワークショップでお会いした杜建録先生と再会.学会差し回しのバスで会場のペテルブルク東方文献研究所へ.
Dhspbopening9:00,研究所着,Registrationの列に並ぶ.参加者の過半を中国・台湾からの参加者が占める.かつて中国の某教授が藤枝晃先生「敦煌在中國,敦煌學在外國」と嘆いたというのは,完全に昔話となったことを実感.ちなみにこの逸話,中国では,藤枝先生「敦煌在中國,敦煌學在日本」と,日本の研究を誇って発言したと誤解され,これに対する感情的反発が結果的に中国での敦煌学の発展を招いたとのこと.
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10:00,いよいよ開会.ポポワ先生,柴剣虹先生,鄭阿財先生,高田時雄先生らのご挨拶.続いて基調講演.
Vladimir MYASNIKOV: Study of the Dunhuang complex: past, present, perspectives for the future
11:15–11:45,休憩.馮培紅先生,楊富學先生とも再会のご挨拶.

11:45,2階の文献閲覧室(通称 Green Room)と1階の Sutra Room に分かれてのデュアルセッションで個別の研究報告が始まる.といっても,当初1人20分とされた報告時間は,その後1人15分に短縮されたとのこと.初日は主に1階で過ごす.
杜建録「中國藏黒水城漢文文獻整理研究」
Kirill SOLONIN: Chan Buddhism in the Tangut State
聶鴻音「《明堂灸經》的西夏譯本」
鄧文寛「俄藏敦煌和黒城漢文暦日對印刷技術史研究的重要意義」
13:00,研究所から徒歩すぐのレストランで昼食.ツィーメ先生・王丁先生ご一家と同席.王丁先生は昨秋の吐魯番学会に続いて今回もコルドラ令夫人・ご令嬢と同行されている.ご令嬢の成長ぶりに驚きつつ,子育ての困難について語る.

14:30,セッション再開.このセッションも階下.
孫伯君「西夏文《賢智集》之“勧親修善辯”考释」
戴忠沛「敦煌所出西夏文《大乘無量寿宗要經》残片考釋」
王培培「《維摩詰經》的西夏訳本」
Kira SAMOSYUK: The Comparison of the Style and Subjects of the Xi-Xia and Yuan Dynasty Caves of Dunhuang and Yulinku, of Tangut Pagodas and of Materials from the Khara-Khoto Collection of the Hermitage.
サモスユク先生とは2005年夏の吐魯番学会以来のご挨拶.明日午前,エルミータジュ所蔵のカラホトの曼荼羅を見せてくださるとのご提案,ありがたく応諾する.
孟嗣徽「再考五星図像的起源:以埃爾米塔什博物館藏西夏《熾盛光佛与諸曜図》為例」
16:00–16:30,休憩.

16:30, 再開.このセッションはウイグル語文献に関する英語の報告が中心.
Simone-Christiane RASCHMANN: The Old Turkish fragments of the Scripture on the Ten Kings in the collection of the Institute of Oriental Manuscripts in St. Petersburg
ペテルブルク所蔵のウイグル文十王經が絵入りとは東洋文庫のモノクロマイクロを通じて知っていたが,プレゼンされたカラー写真であらためてその美麗さを知る.
Abdurishid YAKUP: Old Uighur Versions of the Fu-Vajracchedika and Their Significance in Establishment of a Critical Chinese Edition.
Peter ZIEME: Old Turkic Texts from Dunhuang and Turfan
ベルリン所蔵文献のなかから見出された禅文献のご報告.
MATSUI Dai: Uighur Almanac Divination Fragments from Dunhuang
昨春の遼金西夏史研究会での報告を,今夏6月のプリンストンでの原文書調査をもとにして増補改訂したもの.報告に際しては敦煌の暦占関係文書の研究を相当にあさって臨んだつもりだったのだが,Marc Kalinowski, Divination et société dans la Chine médiévale (Paris, 2003) を見落としていたことを,Zieme先生・Kuo Liying 先生からご指摘いただく.こういうご教示がいただけるのが国際学会のありがたみ.
Liliya TUGUSHEVA: Some Notes on the Proper Names in the Early Medieval Uighur Civil Documents from Eastern Turkestan
Sergej KLYASHTORNYJ: Old Turkic “Book on Divination” from Dunhuang as a Phenomenon of Serindian Culture
ペテルブルク研究所の大御所お二方にも再拝.
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18:30,ネヴァ河遊覧船を1隻借り切ってのレセプション.晩夏の爽やかな河風をしばし楽しむ.そのまま船内で夕食.報告を終えた解放感も手伝って大いに飲む.これはツィーメ先生も同じで,「マツイ君,今度は弘前で国際学会をやってくれ」とのご冗談であった.
20:30,研究所からみてネヴァ河対岸の船着き場で解散.徒歩でホテルへ戻る.バーでドイツ産ヴァイスビアーを傾けつつ,坂尻さん・赤木さんと四方山話.
22:00,解散,就寝.

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2009/09/03

ペテルブルク国際敦煌学研討会(往路)

国際学会 "Dunhuang Studies: Prospects and Problems for the Coming Second Century of Research" で研究報告のため,ロシア・サンクトペテルブルクへ出張.
ペテルブルクへの訪問は2002年9月以来なんと7年ぶり.

2009年9月2日(水)
早朝に都内の宿舎を出発,6:48品川発の成田エクスプレスの指定席を買おうとすると満席で立ち乗り券となる.これは油断だった.
7:52,成田空港第2ビル到着.
8:10,フィンランド航空のカウンターへ.搭乗手続開始は8:30予定だが,すでに行列ができていて驚く.9月に入ってもなお北欧観光は人気らしい.
8:40,フィンランド航空AY74便へのチェックイン完了.すぐに出国ゲートへ向かうが,ここでも行列.
9:10,ゲート前へ.
10:35,一番最後に搭乗.
11:00,離陸.Finnairを使うのは今回が初体験だった.評判通り,機内食はおいしい.ワインがすでにガラス瓶から強化ペットボトルになっているのも先進的といえようか.ただしエンターテインメント系はいささか貧弱.また,私にとっては座席ピッチはいささか窮屈.
15:00,ほぼ定刻にヘルシンキ国際空港到着.乗継ぎに際しての手荷物チェックが厳しいのに驚く.
15:30,空港待合いロビーでネットが繋がったのでメールチェック.学内のややこしい連絡があり,いささか困った事態になった.ペテルブルクのホテルのネット環境にはあまり期待できないので,急いで返事.あとは事務関係の方々のご高配に委ねるほかない.ついでに,家族とSkypeで会話.思ったより通信がスムースなので驚く.その後は学会報告プレゼン資料の作成.
Rossiyaair
17:00,京都からご参加の高田時雄先生・辻正博先生・王三慶先生・永田知之さん,さらに落合俊典先生と合流,久闊を叙す.落合先生とは同便に搭乗していたらしいが,機内ではまったく気づかなかった.辻先生から学会プログラムを拝見.
19:30,ペテルブルク行きAY6850便に搭乗開始.これはFV=Rossiya航空とのコードシェアで,Rossiya航空はかつてのPurkobo航空らしい.
19:55,定刻通り離陸したと思ったら,あっというまに降下,やはり定刻の 21:55 に着陸.入国審査・荷物のピックアップも信じられないほどにスムース.ロビーに出ると,今回の学会を主催される科学アカデミー東方文献研究所のIrina Popova先生のお出迎えにあずかる(これは高田先生と同道になったおかげ).ご手配のマイクロバスで宿舎の Hotel St. Petersburg へ向かう.
22:30,ホテル到着,チェックイン.ロビーではPeter Zieme先生をはじめ,Durkin-Meisterernst先生,Simone Raschmann先生,Abdurishid Yakup 先生,笠井幸代さんらベルリン=トゥルファン研究所のみなさん,さらにはハンブルクの王丁先生らとご挨拶.笠井さんには日本の煎餅と週刊誌をプレゼント.
23:00,部屋に向かい,入浴.就寝.

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2009/09/01

シルクロード 文字を辿って

Kyotomuseumsilkroad
京都国立博物館での標記展覧会,暑いし遠いし値が張るしと思っていたが,やはり見ておかねばと思い直して上洛.
夏休みのためか,絶え間なく観客があったようだが,やはり漢字の経典には観衆が集まる一方,ブラーフミー・ソグド・ウイグル関係の展示はささっとスルーされる(なにしろ一般客には読めないから)
おかげで,ウイグルの展示はじっくり眺めることができた.特に,これまで実見したことのなかった「マジックサークル」(八卦のこと)はペテルブルクの敦煌学会での報告にも関連するもので,ありがたい機会となった.
また,出品目録にはないものの,契約文書 SUK Sa09 や,私が度量衡論文で使った SI Kr I 147 契約文書,さらには2000年秋のモンゴル学会で報告したカラホトのモンゴル語占い冊子も展示されていた.「再会」を懐かしむとともに,早く校訂を出さねばという思いを新たにする.
なお,四日市さんも疑念を呈しておられるように,最後のモンゴル語冊子が「12世紀」とされているのは,おそらく単純なミスプリであろう(そもそもモンゴルがウイグル字を借用・導入したのは13世紀初頭なので)

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